春日神社(今井町)
かすがじんじゃ

旧社格 指定村社
所在地
奈良県橿原市今井町3丁目7

御祭神 主祭神 天児屋根命 (あめのこやねのみこと)
末社祭神 柿本人麿 (かきのもとひとまろ) 人丸神社
市杵島姫命 (いちきしまひめにみこと) 厳島神社
菅原道真 (すがわらみちざね) 天満宮
大物主命 (おおものぬしのみこと) 琴平神社
蛭子神 (ひるこのかみ) 恵比須神社
由 緒
今井町の西南隅、南北を環濠に囲まれた森の中に鎮座する。天児屋根命を祀る旧指定村社である。
創始年代は明らかでないが、当社現存最古の石燈籠銘に「慶安五壬辰年仲春吉日」とある。廃仏毀釈前天台宗多武峯末に属した常福寺として当社は鎮守であったというが、その棟札に「上棟大和国高市郡今井常福寺」「干時慶長十八年七月癸丑十六日敬白」とあり、当社の神宮寺として慶長十八年(1613)に上棟している。このことは当社最古の石燈籠の奉納に先たつこと39年前ということになるが、当社は遅くとも江戸初期以前に創始されていたことに成る。現在当社神域全体が全く寺院の姿を呈しているのは、かって常福寺の伽藍の中に当社がその鎮守として存立していたが明治初年に廃寺となり、春日神社のみ残されたことになる。
本殿は春日造檜皮葺で桁行2.62m、梁行2.83m、丹彩で、1.81m.の向拝がついている。殿内に衣冠束帯彩色の木質紳像を安置するほか、径30cm.の神鏡が奉安され「春日社御鏡 嘉永七年(1854)寅年九月吉祥日 和州今井町氏子中」の刻銘がある。本殿前の狛犬・石燈籠などに境や大阪商人銘があるのはかって今井町と堺・大阪商人との交易関係を示すものである。例祭は元十月二十六日であったが、今はこの日に近い日曜日を当てている。戦前は七ヶ町から御輿が出て広庭に勢揃いし、今井町内を練りまわったが、今は子供ミコシに変わった。
神社神域には絵馬堂の外、役行者像・前鬼・後鬼像・地蔵菩薩を安置する入母屋造の行者堂、道福寺の本堂として十一面観音像・阿弥陀如来像弘法大師像等を安置する四注瓦葺の観音堂がある。境内社は琴平神社外四社あるが、人丸神社には祭神柿本人麻呂の木質紳像を安置する。恵比須神社は毎年一月八日に初市祭が行われてにぎやかである。
     -奈良県史(神社)より-


入口門

寺院の山門のようだ。

境内(拝殿前)

本殿

境内社

境内社


奉納絵馬
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